書籍・雑誌

2018年1月16日 (火)

言語以前の場所で。

笙野頼子『未闘病記ー膠原病、「混合性結合組織病」の』を読む。

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私の名「祥子」は本当は「笙子」になる筈だったので(昭和40年の時点では当用漢字に無かったらしい)、何だか勝手な親近感?を感じてしまう。

笙野頼子の文章を読んでいると自分が「生きていること」がわかる、よ。生きる根本の何か動機のようなもの、理由とかそういうことではない、もっと原始的で言語以前のなにか、それを純化=purifyしてくれる。

文学というものが人間に及ぼす作用の中で、というか、してくれることの中で最も。。。 凄いことなんじゃなかろうか、それって?一人の人間が生きている/生きてゆく動機を純化すること。言語というものの力で、言語以前の場所で。

2017年11月 4日 (土)

小島信夫と森茉莉。




最近また「小説」が自分のなかで熱い(笑)!のです、

ナゼカここ何年かは「物語」より「リアル」に惹かれて、ルポルタージュや

ドキュメンタリーを多く読んでいました。とくに「井田真木子撰集1.2」は

すっかり愛読書になってたのですが、最近また「物語が読みたい」という

欲求が芽生えて。。。先日読んで衝撃を受けた小島信夫と、

ライブのときにいただいた森茉莉のエッセイにハマったのがきっかけで

森茉莉の小説に惹かれております。

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やはり物語に酩酊する、衝撃を受ける、その世界に入り込んで

味わう。。。って得難い経験なのだナとあらためて思いました。

小島信夫を図書館で探しても。。。無い!評論集はあるのですが

読みたかった「アメリカン・スクール」が無い。。。

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ちょっとこれはまた古本屋さんめぐりをしなければ。

amazonで購入ってテもありますが、オンラインじゃないところで、

足を使って探し廻りたい。。。なんだかそんな気がしています。



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ルポルタージュもあいかわらずスキです♪。

2017年10月26日 (木)

『抱擁家族』、その預言の的確さ。

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小島信夫の有名な小説「抱擁家族」を初めて読みました。以前から読みたかったのだけど機会が無くて、先日茅場町の古本屋さんで偶然出逢ってすぐ購入、一気に読んじゃったのですが、


私、こんなに普通で不気味な本って読んだことが無い。書かれてあることは普通の家族が普通に崩壊してゆく様子なんだけれど(ヤッパ普通じゃないですネ)、

その書き方なのか文体なのか登場人物の台詞なのか、とにかく何かが不気味で仕様が無く目がはなせない。


特に最近、「アメリカ」が、「アメリカ的なるもの」が日本人に見せていた夢って一体何だったんだろうと考えることが多いのでまさにタイムリー、って言ってもこれ昭和36年に書かれた小説なんですネ。


この小説がその時点(昭和36年)に暗示もしくは幻視しているものの予言性、その的確さが不気味なのかもしれません。とにかくこんな本、こんな小説って初めて読んだ。

なんかわからないけど小島信夫ってスゲー。ほんとうに恥ずかしながら今さらにして感じ入っております。

2016年5月26日 (木)

池部良さんの

俳優の池部良さんのエッセイ集『風が吹いたら』がとても面白い。

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「美しいということは、動きに無駄がないということです。」

という一文にハッとする。高峰デコたんの『わたしの渡世日記』もそうだけれど、

俳優さんの書く文章というのは非常に独特で、音楽とも通じるところがあって何度も読み返してしまう。

ちょっと(だいぶ)キワドいお話もたくさんあるのだけど、まったくイヤらしく感じないところが二枚目の面目躍如、なのだろうか。

魅力を感ずる女性、について書いてあるところ、手っ取り早く言えば

「我慢づよくて聡明で明るく、くどくど言わずとも気持ちを察してくれる、

多少のことには動じない包容力がありながら、可愛らしさのある女性」

ってことになるだろうか。

以前の自分なら「そんな都合のいいハナシがあるか!」と怒ったかもしれないけれど、

今は何故かしら怒れない、怒れないどころかそうだよなァ、

ヤッパ女はそうでなきゃ、ナンテ思うのだから加齢とはオソロシイ。

そんな女性、想像しただけで素敵じゃないか、出来ればあたしもそうなりたいもんだヨと、

すっかり池部良さんのイケメンぶりに幻惑されているのだ。

2016年5月19日 (木)

我がココロの5冊(十代篇。)

十代の頃に感銘&影響を受けた5冊といえば

5猫も杓子も
田辺聖子

4蒲田行進曲
つかこうへい

3想い出トランプ
向田邦子

2禁色
三島由紀夫

1女が愛に生きるとき
田辺聖子



パッと見るとマセガキ、という感じなのですがあまりマセてた記憶も勉強好きだった記憶もありません(涙&笑)。

父も母も読書好きだったのでうちにある本を適当に読んでいた、という感じ、三島は小学生時代母が集めていた『豊饒の海』全四巻の重々しくなんだかキレイな装丁(全巻艶消しの黒い箱入りで、表紙&裏表紙に曼陀羅のような絵が描いてあった)に惹かれ、中身を読もうとしたけど幼過ぎて無理!でした。


しかしそれが印象に残ってたのでしょうか、中3になった春「O森S中三大ロック少女」の構成員だったM子ちゃんが突如三島に狂いはじめ、彼女が貸してくれた『禁色』を読んだら凄く面白くて。。。

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これって男色のお話なんですが、当時の印象もいま想い出してみても三島の文章はまったく扇情的でもエロチックでも無く、寧ろ分析的で精密で、いつかみたあの表紙絵のように不気味で華麗でした。

Mishima_houjyou




すっかり三島のミーハーになって『金閣寺』や『鏡子の部屋』を貸し借りしてたある日、なんか「憂国忌」っていうイベントがあるらしいヨ!とM子ちゃんが情報を仕入れて来ました。



それがどんな集まりなのかどんな人が集まるのかも知らず、ただ「三島ファンの集い」今で言う「ファンミ」みたいなものと思い込んだ二人はエ~ト場所は九段会館、じゃ日曜日に大森駅で待ち合わせネ!とすっかり参加する気満々で、何を思ったか家に帰って父にアノネ、日曜日に「憂国忌」行くんだ!と何の気なしに言いましたらいきなり


「バカヤロ!」と叱責が飛んできました。それがどんなイベントなのかをまさにこんこん、と言う感じで言ってきかされ、途中から母も加わって絶対に行かないと約束させられ、ショボ~ンとしながらM子ちゃんに「ヤメよう。。。」と電話をかけたのでした。



それを機にふたりのテンションは下がり三島熱もすっかり収まり、興味&情熱はまた洋楽ロックへと戻って行ったのでした(地元が大森なのでふたりで三島の生家を見に行ったりはしました。真っ白な邸宅で、やはり真っ白な噴水の真ん中にミロのヴィーナスかのような彫刻が。。。やっぱミーハーですネ!)←注・アポロンでした。

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お姉さんの影響で小学生の頃からZEPとKISSとQUEENフリーク、私の洋楽体験にも絶大なる影響を及ぼした彼女はその後パンク/ニュー・ウェイヴの洗礼を受け、その影響もあってかYMOや『スネークマン・ショウ』に傾倒してゆき、三島にハマらなかったもうひとりの構成員C子ちゃんは洋楽でない「オフコース」の「小田さん」に狂いはじめて、世を席巻したパンク/ニューウェイヴ/YMOにもオフコースにもまっったく洗礼を受けずハマりもしなかった私との道は分かたれ(おおげさ)、O森S中三大ロック少女は空中分解。それぞれの道わたしたち、歩いてゆくんですネ♪。。。とキャンディーズの『微笑みがえし』状態になってゆくのでした。。。

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P.S

しかしあのときもの凄いイキオイで叱ってくれて、「中3女子が何故そこに行ってはいけないか」をきちんと説いてくれた父母に感謝です。今って子供に「あなたが決めたならそうすれば?」式のお母さん、その妻に「子供のことはお前に任せてあるだろ!」式のお父さんが多いと聞いて信じられない思いになります。それって自由じゃなくただの無関心、ですよネ。


自分が「違う!」と思ったらこっぴどく叱ってヤメさせる、そしてちゃんと理由を説明する。親になっていない私が言うのもナニですが、やっぱり「親」はそうじゃなきゃ、と今さらにして思うのです。

2015年12月 8日 (火)

『ビートルズ・ストーリーVOL.4 '66』に寄稿いたしました。

 
12月15日発売のCDジャーナルムック
『ビートルズ・ストーリーVOL.4’66』に寄稿いたしました。
 
 
アルバム『リボルバー』の解説を書いております。ヴィジュアルあり分析あり、
藤本国彦さん責任編集のこのシリーズはとっても魅力的なビートルズ・ブックです。
ぜひお読みになってみてください!

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