団令子という女優さん。
団令子という(日本映画全盛期にアイドル・スターだった)女優さんが妙に好きで、今の「美人じゃないけどちょっと可愛いアイドル」のまさに元祖だと思うのです。
関係ないですが私、前田敦子結構好きなんですよネ。グループに居たときから「あっちゃん」の前下がりボブの写真を美容院に持っていって「こういうふうにしてください!」とか言ってたくらいなので。。。
前下がりボブ(当時。色も真似。)
ーなんか全然美人じゃないような気もするし、そうかと思うと可愛くみえたり、野心満々なのか無邪気なのかよくわからない、性格もいわゆる「良い子」のワケないんだけれど、その悪さがミョ~に気になる。。。
感じって私の中で団令子とめちゃめちゃ「カブる」んです。
先日購入した『ジ・オフィシャル・クレージー・キャッツ・グラフィティ』に、一連の「クレージー映画」のマドンナの一人として団令子のインタビューが掲載されていたのですが、
成瀬巳喜男・小津安二郎両巨頭の作品に準主役級の役でインパクトを残しているのに、御本人はその役がお好きでなかった様子。
成瀬監督の『女が階段を上がる時』で、銀座のバーのマダム・高峰デコたんの上客を若さの魅力でまんまと奪ってしまうホステス役、
小津監督の『小早川家の秋』でアメリカ人男性ととっかえ、ひっかえデートする(そこに小津監督の描く「戦後」がみえかくれしています)フラッパーな女の子役も、
軽い役のようで強い印象を残します。アイラインをクッキリと描いてまつ毛をこれでもか!と強調するメイクなんか、現代に余裕で通用するキュートさ。
でも当時の現代っ娘(所謂アプレと言うんでしょうか。)の軽さとビッチ感、を体現する役柄は本意じゃなかったのかもしれません。
主演でヒットした『お姐ちゃん』シリーズにあまり肯定的な発言をしていないのもそのせいなのでしょう。
しかしビッチなだけ、軽いだけなら印象に残らない。そこに加わる「狡い可愛さ・憎めなさ」が(自分的には)団令子というファニー・フェイスの真骨頂だったのにナーと、
(恐らくは美容整形をして)ファニー・フェイスから「スリム美女」に変身を遂げてしまった'70年代の彼女のポートレートを眺め、なんだか複雑な思いに駆られてしまうのです。
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