12/16、そして12/20に
『ベアフォレストのクリスマス~in横浜日ノ出町』
於:試聴室その3
『Syoko Sings Laura Nyro&Christmas Favorites』
於:渋谷タワーレコード5F・パイドパイパーハウス
16日のセットリスト、最初に考えていたのはその場で結構変えてしまった上、リクエスト曲が錯綜して順番がわからない(涙)。。。
リクエストいただいたのは
あたらしい愛の詩
区役所に行こう
名前を呼んで
すべてはO・K
雪の夜に
う~ん、バラエティーに富んでいる上に年代もいろいろ、グッド・タイミング&素敵なリクエスト、本当にありがとうございました!一緒にライブを作っていただいたという感じ、
ライブっていつでも何処でも絶対そういう感じがあるけれど、この日は楽器の手違いがあった上に会場にゆくのが遅れてピアノのご機嫌も充分掴めなくて。。。
いつもだったら無いようなこと、でもやってしまったからにはそのまま行くしかない、そんな自分を助けてくれたのはほかの誰でもなく聴いてくださっている方なんですね。
この日斎藤哲夫さんの「悩み多き者よ」を初めて歌いました。1970年代前半に書かれた歌なのにまったく古くないどころか、まさに「いま」を歌っているとしか思えない。
「暗い歴史の影に埋もれてはいけない。/飾り気の世の中に埋もれてはいけない。」
この部分を歌うときまるで自分に言われているようでもあり言い聞かせているようでもあり。。。とにかく凄い曲です。宗教感なき国、と言われる日本にもこんなプロテスト・ソングがある。。それを歌えるだけで勇気が出るような気がします。
そしてこの3月に亡くなられたヴァレリー・カーターさんの「ウー・チャイルド」、すべてが良くなる日がくる、美しい太陽の光のなかを歩いて、わたしたちはたどり着く、出来なかったことが出来るようになる、ウー・チャイルド、わたしの頭がもっと軽くなった時。。。
これは希望の歌、希みの歌、美しく強いヴァレリーさんそのもののような歌だった。声やたたずまいのどこかにフラジルな脆さがかいまみえて、でもそれも大きな魅力だった。
リンキンパークのチェスター・ベニントン、サウンドガーデンのクリス・コーネル、トム・ペティ。。。アメリカって国で何か創造的なことをして生きるのは、弱さ脆さを当たり前に持っている人間にはタフ過ぎることだったのかもしれないとも思う、ジェームズ・テイラーが「ネヴァー・ダイ・ヤング」で歌っているように。。。
あの曲が大好きで最後のところでいつも泣いてしまうのだけど、
ーそうさ、彼らの心は砕かれ、夢は枯れ果ててしまったけれど、
その黄金の夢がいま船出する、船出してゆく
未だ見ぬ国の、未だ見ぬ空のもとへ。
ピーター・ゴールウェイさんもその素晴らしい新作で歌っている、
「芸術と商業、負けるのはいつも芸術。」
生きているニューヨークの空気を感じさせてくれる成熟した音の中の、いかにもアメリカの人らしい述懐。。。
今思うと私、ヒューストンでバイリンガル、になっていなくて本当に良かった。こんなタフ過ぎる思想を半分持って、英語っていう言語を使いこなして、同時に日本語喋る日本人であることの水圧よ。。。
5歳や6歳じゃなく14歳にもなっていた私には無理だった、両方を自分のものに出来る望みは殆ど無かった。たぶん音楽をやっていなかっただろう、もしふたつの母語を持つようになっていたら。
バイリンガルなんて凄~い、自分の中にふたつの文化があるなんて素敵っ♪。そんなイメージほど楽なことでは全然、まったく無い。文化の水圧に耐えうるタフさは誰しもが持っているものではない。
半年で帰ってきたのは正解だったのだと38年経って確信しました。「誰に、何に勝つつもりなんだ。人間は、決して勝ちません。ただ、負けないのだ。」
坂口安吾はそう書いた。私はアメリカの人じゃないから、芸術と商業、負けるのは芸術だと思っていない。生意気にも安吾の言葉を借りるなら「芸術は、決して勝ちません。ただ、負けないのだ。」
ピーターさんは曲の最後に繰り返している、「憧れは終わることが無い、希いは消えることが無い。」
ローラ・ニーロの「ニューヨーク・テンダベリー」の歌詞「あなた(ニューヨーク)は街みたいに見えるけれど、私にはまるで宗教のように感じられる。」
から取った「フィールズ・ライク・レリジョン」というタイトル通り、アルバムには祈りのような感情が流れている。あの国で生まれてあの国に暮らす人の音、私は半年しか暮らさなかったその国で生まれた音楽に説明出来ない深い深い愛着を感じる。エルヴィスのゴスペルやバディ・ホリーのロックンロール、リーバー&ストラーやフィル・スペクターのポップ、ロバート・ジョンソンのブルーズ。アメリカにおけるすべての芸事の起点は黒人にあり、黒人的なしるしをもっている、と誰かが書いていた、その刻印を自分の生理と官能を通して表現したローラ・ニーロは音楽「に」憧れた人ではない、音楽「が」彼女に憧れた。
それらアメリカの音楽は私のものではないのと同時に何よりも私のものであり、音楽と言うよりは空気の記憶と感触、10代の、まだ固まり切っていない耳に毎日入ってきた、聴こえてきた言葉であり音なのだ。
アレッ??何を言いたかったんだっけか。。。12/16と、12/20に感じたことが一緒になってしまった!16日、そして20日にいらしてくださって本当にありがとうございました。どちらの日もライブをいっしょに「作って」くださったこと、本当に、本当にうれしかったです。
(←パイドパイパー・ハウスで購入した、レコードが入るサイズのキャンパス・バッグにすかさずベアフォレスト・レコーズのくまこ&くま吉バッジを装着♪。)
そして初心に帰って?はっぴぃえんどのファースト・通称「ゆでめん」とピーターさんの新作「Feels Like Religion/フィールズ・ライク・レリジョン」を購入、あぁ良い音楽ばっかりで嬉しい!!空気みたいに食物みたいにそれを摂取しないと生きてゆけない。
パイドパイパー・ハウスの長門芳郎さま、ベアフォレスト・フェアのチャンスを与えてくださって本当に、本当にありがとうございました。
ローラ・ニーロの曲を歌うという鬼の指令をいただかなかったら、シンコペーションについてこんなに深く考えることも、理解のとば口に立つことも絶。。。対にありませんでした。大事なことを教えてくださって感謝しきれない気持ちです。
リズムってものは生理であり同時に「構造」なのだということ。。。それは「新しい発見以上の」大きな発見でした。「解る」ってこんなに嬉しいことかと思う、だってずっと「リズム」の根幹にあるものが解らなかったから。。。
試聴室その3の三沢洋紀さま、時間に遅れてご迷惑おかけしてすみませんでした。本当にありがとうございました!4月にまた試聴室にゆけるのが楽しみです。おイヤでなければ三沢さんとまた歌わせてくださいませ!
えりさま、谷さま、平澤さま、いつもどうもありがとうございます。時間を間違えたり忘れものをしたり。。。いろいろと御迷惑をおかけしてしまう私ですが、どうかこれに呆れず、来年も何とぞよろしくおねがいいたします!
一年間本当にどうもありがとうございました!
May I wish YOU...
The very merriest of christmases&the happiest of new years,
AND THANK YOU SO VERY MUCH for letting me spend this
CHRISTMAS WITH U!!!
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