『英ポロ』、わたしの内なるヨーロッパ。
作戦が図に当たった!『軍ポロ』を並行して練習したら『英ポロ』のオクターブ連打が少しずつ出来るようになってきている。「ザセツのシンボル=オクターブ連打」だった頃からしたら格段の差だ。
その後のメローな部分にも手をつけているけれど、ショパン様の和声のつくりかたは何と精緻で綺麗なのだろう。和声=ハーモニーというものはヨーロッパからやって来た、ということをあらためて再認識させられる。
『英雄ポロネーズ』は祖父のレコード棚の『ショパン全集』の中にあった。誰の演奏だったかはもう思い出せない、音楽を聴いて「ふるえが来るほど感動した」最も古い体験だった。幼稚園に上がる直前、5歳だったと思う。
ハーモニーの発達の歴史は鍵盤楽器の発達の歴史であり教会音楽の歴史でもあるだろう。西洋音楽が日本に入って来たのは明治以降、画家志望だった明治生まれの祖父が若くして受け取った「西洋文化」の衝撃ーウェスタン・インパクトーは、そっくりそのまま彼の孫娘に伝達された。それ自体は別に驚くようなことではない。
私は以前から高村智恵子という人に興味を押さえられない。言わずと知れた『智恵子抄』のヒロイン、高村光太郎夫人の智恵子もやはり明治近代の「ウェスタン・インパクト」の直撃を受けた最も最初の世代である。
その結果として「洋画家としての自立」を目指した智恵子が夢に挫折し、やがて社会化に失敗し不適応を起こし、最終的には狂気に捉えられる過程に、共感ーとは不謹慎な言葉だが「日本に生まれてウェスタン・インパクトに無防備に晒され、それを愚直に内面化してしまった女性」の生きた道として非常に自然ーーまっとうなものを感じるからだ。
そういえば日本の街で流れている音楽から「ハーモニー感」を聴き取ることが殆ど無くなってどのくらい経つだろう。
幼少時から10代中盤くらいまでに聴いた音楽というのはあらゆる意味でその後の志向(思考)に影響を与える、ということに今さらながら気づいた。単に個人的な趣味・好みという次元をこえて、人は音楽を通じて音楽の向こうに堆積された「文化」に抗い難い影響を受けるのだ。
そう思うと音楽のもつ「マスへの伝播力」そして「個人への浸透力」にはものすごいものがある。それは真逆のベクトルであるが、長い目でみた場合どちらの力も実は等価である、と感じざるを得ない。
おっと、『英ポロ』のことばっかし考えてたらついマジになってしまった。『英雄ポロネーズ』はわたしの内なるヨーロッパなのだ。それをもういちど捉えなおすことで私は自分と、未来と繋がりたいのだ。今度ばかりは負ける気がしない、あきらめる気がしないゾ。
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