江利チエミの和洋折衷。
江利チエミの和洋折衷の感覚に私は常々憧れています。
日本語と英語をワンコーラス、ツーコーラスでチャンポンにしても全く印象が変わらないって凄いことです。両方の言語を身体の奥で確実に捕らえるリズムが在ると云うことですから。
すみません、私ごときが偉そうなのですが、ひばりとチエミは歌唱表現の内奥に本物の腰、というものを持っていると感じます。
それはパンチがあるとかパワーがある、グルーヴがあると云った言葉でしばしば表現されますが、そのすべてを含み更にもっと奥に在るものです。ブラック・ミュージックにも通底するものですが、ひばりは日本的・土着的な「腰」、チエミはもっと洋楽的な、和洋折衷の「腰」であるところが違うと思います。
チエミの民謡から浪曲、小唄端唄、ジャズもポップもミュージカルもひとつになった素晴らしいエンタテイメント性が、「孤独な晩年」とか「波乱の人生」と云うイメージに隠れがちである気がして、なんか納得出来ないナァ。。。と思ってしまうのです。
ただ全盛期のチエミのキュートな姿&躍動する歌唱をふんだんに、公共放送でフルコーラス聴かせてくれないものでしょうか。だって昭和38年の紅白の映像なんて可愛すぎる。オーラってこういうものかと思います。私のハハ・まきこは高校時代、銀座で生チエミ(!)に遭遇したそうで、超イケメンのお兄さんと二人で買い物の途中だったそうです。
思わず友達と二人で「あっ!チエミ!」と叫んだら御本人「アラ!チエミじゃなくてチエミさんって言いなさいよネ!」笑いながらユーモアたっぷりに返してくれたそうです。
その時のハハの印象は「もう、超可愛い。テレビで見てたらファニー・フェイスかと思うけど、実物は色が白くて目が大きくてまつ毛が長くって。。。」
臨場感たっぷりに語るハハの青春時代('50年代~'60年代前半)って、その頃の日本って何て眩しかったのでしょうか。そんな超可愛いチエミのバックを務めるのは、東京キューバン・ボーイズに原信夫とシャープス&フラッツの精鋭ジャズメン達。んも~、どんだけ格好良過ぎなんだ!と腹が立ってきます(笑)。
あの、『マイ・フェア・レディ』の主題歌『踊り明かそう』を花売り娘スタイルで歌うチエミの映像がテレビで放送されたおかげで、その存在は私の中で「孤独の中で逝った懐かしの、往年のスター」から「憧れの、和洋折衷の素晴らしいエンタテイナー」に変わっていったのでした。
もしあれが無かったら。。と思うと、公共放送というものが人に与える影響の大きさをひしひしと感じるのです(うち今テレビ無いけど)。
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